産卵場・流下調査

矢作川でのアユの産卵状況、ふ化した仔魚の規模を調査することで、翌年のアユ資源量を推測するためのデータを収集します。産卵場の位置を探るため、ボートで矢作川を下りながらアユが産卵場に選びそうな瀬を確認し、直接砂利や石をひっくり返して目視確認します。アユの産卵場は歩くと足がめり込むようなやわらかい小砂利の川底で流速がある所に形成されます。
 
通常は川の中流と下流との境界あたりに形成されますが、矢作川では越戸ダムの上流(広梅橋付近)や明治用水頭首工の上流(豊田大橋付近)など連続するダムの上流側でもみられます。アユがダム湖を海と間違えて、あるいはダムの堰堤に遮られて下流に下ることができないために、やむを得ず産卵しているのかもしれません。
 
ふ化した仔魚の調査では、米津橋の上流で23時から翌朝5時までの間、2時間に1回の頻度で専用のネットを3分間水中へ設置し、流下している仔魚をサンプリングします。実験室で仔魚とそれ以外とに仕分けた後、ネットに入った個体数やふ化後の日数を把握するために卵黄指数を計測します。
 
 
流下調査の実施場所
ボートによる産卵場調査(葵大橋付近)
流下ネットでの調査 流下仔魚の写真